FIXED CONTAINED

Curated by Tomokazu Matsuyama

2019年4月20日(土)-2019年6月29日(土)

KOTARO NUKAGA(天王洲)

KOTARO NUKAGAは、アメリカをベースに活躍する7人のアーティストのグループ展“FIXED CONTAINED”を開催します。参加アーティストはブライアン・アルフレッド(Brian Alfred)、フィレレイ・バエズ(Firelei Báez)、カルロス・ロロン(Carlos Rolón)、インカ・エッセンハイ(Inka Essenhigh)、ニール・ホッド(Nir Hod)、トニー・マテリ(Tony Matelli)、そして本展をキュレーションする松山智一(Tomokazu Matsuyama)。

“FIXED CONTAINED”で取り上げるアーティストたちは、様々なメディウムを巧みに用い装飾性や平面性という各々の表現を通して、私たちが生きる時代の複雑さや重層性を投影する作品を生み出します。彼/彼女らは自身の文化や歴史そして現代社会から、様式的なパターンや有用な情報を意図的に引用して組み直し(Fixed)、そこに新しい意味を吹き込むのです。そこでは文様、色気、彩度、といった様々な要素が独創的な方法で混ざりあい、まるで高密度の容器(Contained)のような作品から溢れる表現は、未知なる領域を予感させます。

アルフレッドのペインティングは、平面性や抽象的な線を用いることで都市風景の骨格を浮き彫りにし、そこに見える社会構造を描写します。エッセンハイは動植物や建築物のフォルムを有機的に用い、空想的であり真新しい、未知なる風景を生み出します。バエズは自身のルーツに因む文様を多層的に用いながら、文化的、歴史的な背景に根差した流動的で強い精神性を持つ女性の肖像を描き、未来の可能性を主張します。一方、マテリの造る立体作品は大理石や塗装された青銅などの素材を使い、古典的彫刻様式にありふれた日常の物体を組み合わせることで、アートと現実に横たわる矛盾や永遠性を喚起するのです。ロロンは平坦な金箔や鏡を背景に、東洋絵画古来の花鳥画を思わせる花や模様を、まるで万華鏡を覗いたかのような整然としたカオスとして描写します。ホッドは自身で開発した顔料メディウムにより輝く鏡面を描写し、鑑賞者の姿をぼんやりと作品の中に投影することで、鑑賞者自身にアートの意味を自問させます。松山は日常的に氾濫している広告などのイメージソースと伝統的な図像を融合させ、異文化が混じり合う「今」を同時代的なビジョンを用いて創造します。

装飾性が持つ機能性/非機能性という枠組みを超えたこれらの作品は、装飾美の新たなる可能性を提示します。組み直す、編集するという行為には、過去に対する深い知識や敬意が必要であり、彼/彼女たちはこのようなプロセスが、情報過多の現代社会に突破口を開く最適な方法のひとつであることを示すのです。

開催概要
FIXED CONTAINED

アーティスト

会期

2019年4月20日(土)-6月29日(土) 11:00~18:00 (火・水・木・土) 11:00~20:00 (金) ※日月祝休廊

会場

アーティストトーク/オープニングレセプション

アーティストトーク 2019年4月20日(土) 16:00〜 会場:KOTARO NUKAGA オープニングレセプション 2019年4月20日(土) 18:00〜 会場:KOTARO NUKAGA

PRESS RELEASE