Sending Love to an Aching World

2025年5月10日(土)– 5月31日(土)

KOTARO NUKAGA(六本木)

KOTARO NUKAGA(六本木)では2025年5月10日(土)から5月31日(土)まで、ラスムス・エックハルト、ローレン・アードリック、ブレア・サクソン=ヒルの3名によるグループ展「Sending Love to an Aching World」を開催します。本展は、ニューヨークを拠点に活動するインディペンデント・キュレーターのシャドウ・クーによってキュレーションされます。

本展では、疲弊や社会的混乱が渦巻く現代において、優しさを込めたおくりもの(内省と対話をうながす、やわらかな表現のかたち)として捉えられた14点の絵画作品が展示されます。3人のアーティストたちは、それぞれ異なるアプローチで、「感じること」「抱えること」「傷つきやすさ」といったテーマに向き合い、作品を通して静かに語りかけます。  彼らの作品は決して声高には語らず、むしろ静かに耳を傾けます。日常と宇宙的な視点、私的な神話と儚い記憶のあいだを縫うように存在しながら、鑑賞者の内面に静かに寄り添います。私たちが生きる痛みを抱えた世界に対し、やわらかさと親密さ、そして驚きをもってそっと手を差し伸べるように、絵画がひとつの世界を成すように現れます。

ラスムス・エックハルトのキャンバスには、記憶が薄れゆく瞬間が捉えられています。レキシントン・アベニューで交わしたかもしれない儚く幻想的な会話の中に現れる影、裸で公園の中で昼食をとる女性、森を彷徨いながら道を探し、迷い込んでいく孤独な人物。各作品には、ぼんやりとした夢のような質感が漂い、小林古径[i]の作品に見られる視覚的な優しさを彷彿とさせます。小林と同様、エックハルトの作品は霧の中から浮かび上がるように現れ、観る者を時間が緩み、境界が柔和になり、感情が先導する空間へと誘い込みます。

ローレン・アードリックの絵画は、人間の形が天体の力に溶け込むような夢幻的な宇宙観を表現しています。神話や感情、そして彼女の生の染料と顔料を溶かし込んだ水性の技法 の予測不可能性から着想を得て、彼女の作品は変容をテーマにしています──体が光に変わり、顔が鳥に、月が目に変わるように。彼女の構図は抽象と具象の境界を漂い、喪失と希望が繊細なバランスで共存する宇宙を描き出しています。

ブレア・サクソン=ヒルは、自発的で遊び心のあるアプローチで作品を生み出します。10年以上にわたって発見した素材を使った制作を経て、再び油絵へと戻りました。計画的なプランではなく直感に従い、スケッチのエネルギーを大切にした彼女の作品には、孤独な霊やクィアな人物、王族のミューズ、日常の仲間たちが登場します。彼女の筆致には、軽やかで儚い魔法が込められており、切なさと喜びが優しく混ざり合っています。そのシンプルさの中にも、ユーモアや脆さ、そして優しいシュールリアリズムが感じられる、生命の一瞬を捉えた表現が広がっています。

これら三人のアーティストは、私たちの世界の隣に存在するもう一つの世界を構築します──感情が形となり、人物が異なる状態を行き来し、脆さが共通の言語となる場所です。「Sending Love to an Aching World」は、静かでありながらも輝かしい招待状のように、私たちが共有する壊れやすい世界をもっと深く感じ、より繊細に見つめ、そしてその世界を力強く慈しむことを促しています。

 

Rasmus Eckhardt(ラスムス・エックハルト、1982年生まれ、デンマーク)は、コペンハーゲンを拠点に活動。ヨーロッパ各地で広く展示を行っており、最新の個展は2023年にマヨルカのCollaborationsで開催しました。「Little Stars」はEckhardtにとってSHRINEでの2回目の個展であり、かつロサンゼルスでの初めての個展でもありました。

Loren Erdrich(ローレン・アードリック、1978年生まれ)ニューヨーク市を拠点に活動。「Little Stars」はSHRINEでの2回目の個展であり、これまでにHarper’s(イーストハンプトン、ニューヨーク州)、Nicodim Gallery(ロサンゼルス、カリフォルニア州)、Primary(マイアミ、フロリダ州)、Guts Gallery(ロンドン、イギリス)、Wasserman Projects(デトロイト、ミシガン州)、Herrero de Tejada(マドリード、スペイン)など、国内外の著名なギャラリーで作品を発表。Erdrichは、Yaddo、Elizabeth Murray Artist Residency Jentel Foundation、Santa Fe Art Institute、Sculpture Space、Vermont Studio Center、Art Farm Nebraskaなど、数多くのレジデンスに選出され参加しています。

Blair Saxon-Hill(ブレア・サクソン=ヒル、1979年生まれ、オレゴン州ユージーン)は、ポートランド(オレゴン州)を拠点に活動、Joan Mitchell Foundation、Oregon Arts Commission、Ford Family Foundationからフェローシップを授与されました。ニューヨークのNew Museum Triennialをはじめ、Nino Mier Gallery(ロサンゼルス)、Pace Prints(ニューヨーク)、JOAN(ロサンゼルス)、VENUS Over Los Angeles、The Hallie Ford Museumなど、国内外の展覧会に参加しています。

Shadow Qu(シャドウ・クー)、ニューヨークを拠点とするインディペンデント・キュレーター/アートアドバイザー。
モダンおよびコンテンポラリーアートを専門。ニューヨークを拠点に活動するアート・プラットフォーム「Various Locations」の創設者で、アメリカ、ヨーロッパ、アジア間のアーティストの交流を促進し、異文化間の対話を育むことを目的とした活動を展開。グローバルなアートマーケットにおいて、有機的で意義あるつながりを生み出すことを使命としています。

[i] 小林古径(こばやし こけい、1883–1957)近代日本画を代表する画家の一人。伝統的な大和絵や琳派の技法を基にしながら、洗練された構図と静謐な表現で独自の世界を築く。文化勲章を受章し、戦後は東京美術学校(現・東京藝術大学)の教授として後進の育成にも尽力した。

開催概要
Sending Love to an Aching World

アーティスト

会期

会期: 2025年5月10日(土)– 5月31日(土) 開廊時間: 11:00 – 18:00(火 – 土) ※日月祝休廊 オープニングレセプション: 5月10日(土) 16:00 – 18:00

会場

プレスリリース