In search of others

2022年5月14日(土)- 2022年6月25日(土)

KOTARO NUKAGAでは、5月14日(土)から6月25日(土)まで、グループ展“In search of others”を開催します。本展は平子雄一がキュレーションをする初のグループ展となり、「他者」として存在するヒトをテーマに、国内外から平子を含む、伊佐治雄悟、王冠蓁、熊野海、高橋直宏、陳雲、寺本明志、という7名のアーティストが参加します。

存在する全てのものが彫刻に見えてきたと言う伊佐治雄悟は、主に可塑性のあるプラスティック製品を素材として、人間の顔のようなモデルや丸く膨張させたボトルなどのファウンド・オブジェを制作し、無機質な日用品に内在する生命感を感じさせます。王冠蓁はペインティングと陶器の二つのジャンルを横断し、無邪気さと奇妙性を兼ね備えた人物像や、切り取った身体を形にした陶器を制作することで、感情が溢れた人間と「非個性」な器物の間の境界にアプローチします。一方、熊野海は壮大な光景を映す作品を展開しています。彼のペインティングは、鮮やかな色彩を用い、煙が溢れた現代社会の闇の中に、カオスと共に暮らしている人間社会を描き出します。また、高橋直宏が主に制作している人体の木彫は、身体が断片的に繋がれたり、糸繰り人形のようであったり、各部位を不自然に組み合わせ、異形を表現することによって、物理的な制約の下に人間をどう考察していくか問いかけます。記憶の具現化を表現のテーマとする陳雲は、2〜3枚のパネルを組み合わせることによるモンタージュ的な手法を用い、抽象と具象を同時に提示することで、日常的に目にするモダンスタイルの人物をリリカルな映画のようなシーンに登場させます。そして、寺本明志の絵画は、日常のモチーフを異なる空間に配置することで、非日常な景色を作り出します。鑑賞者を自然態と違和感の間に行き来させ、我々が生きている環境にあるさまざまな要素(人間を含む)の関係性を再考する必要を提示してくれます。