Camélia / オーバーストーリー

Kyoji Takubo | Mariko Kobayashi — April 16 – May 22, 2021

KOTARO NUKAGAでは、2021年4月17日(土)から5月22日(土)まで田窪恭治個展「Camélia」、小林万里子個展「オーバーストーリー」を同時開催します。

今回、田窪が「Camélia」で発表するのは、ヤブツバキをモチーフに描いた新作の切り紙絵のシリーズです。琴平山再生プロジェクトで訪れ た、温暖な気候となだらかな稜線の小島が浮かぶ瀬戸内海ならではの穏やかな風土。それと呼応するようなヤブツバキの 凛とした佇まいからこの土地の性格を読み取り、「まさに有るが如き花」だと感じ、とても大切な素材になったといいま す。特徴的なセピアカラーのドローイングや天然石を用いたモザイク作品など、素材や手法を変えながら田窪作品に繰り返し登場するモチーフです。特別な思いの込められたヤブツバキが、田窪が心新たに取り組む「風景芸術」の幕開けを鮮 やかに彩ります。

小林万里子の展覧会タイトル「オーバーストーリー」には、私たちの祖先たちが生きてきた夥しい数の命の積層の上に成り立っている私たちの今を描く物語、そして私たちが役目を終えて土に還ったその後の命が織りなす世界の物語、というふたつの意味が込められています。様々な空間の特徴を踏まえ、空間全体を使ってコンセプトを具現化することに定評のある小林が「命の円」の薄皮に形を与え、新たな物語をつむぎ出します。