松山智一、イスタンブールビエンナーレ オフィシャル屋外プロジェクトにて大作2点を展示

2022年11月04日

松山智一は第17回イスタンブール・ビエンナーレのオフィシャルプロジェクトとして大型立体作品「Nirvana Tropicana」と「United We Stand Divided」の2体を発表しました。

大規模な屋外作品の公共展示で知られるYankoseではバルーン作品「United We Stand Divided」を展示。異なるコミュニティが日常的に交錯するイスタンブールという都市で新しい世代の個性の開花を垣間見ながら、性別や文化指標の混交に対する彼の見解を表現しています。

長さ17メートルのこの作品には、西洋と東洋それぞれの花模様で構成された、絡み合う二人の人物が描かれています。二人の人物を組み合わせた肖像は、現代の文化がいかに重層的であるかを思い起こさせるものとして、街の風景の中に浮かんでいます。

ガラタポートに位置しイスタンブール現代美術館を眼前に控えるミュージアムスクエアでは、彫刻作品「Nirvana Tropicana」が展示されています。この作品はコロナウイルスの感染爆発と暴風雨による自然災害が立て続けにニューヨークを襲ったさなかに制作されました。

都市封鎖によって眠らない街は静まり返り、社会機能は失われ、文化活動は衰え、自然までもが崩壊したかのように感じられました。そんな現実を前に、松山は制作し続けることへの自問自答を繰り返します。断片的なボディは植物の要素やパターンで結ばれ、キュビズムの視点を内包した作品は松山の絶えることのなかった創作への内的衝動を示しています。

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