「元始女性は太陽だった」のか?
2025年5月17日(土)– 6月14日(土)
KOTARO NUKAGA Three
KOTARO NUKAGA Threeでは、2025年5月17日(土)から6月14日(土)まで、展覧会「『元始女性は太陽だった』のか?」を開催いたします。山本れいらキュレーションによる本展は、ニューヨークの非営利団体apexartによる2024年-2025年国際キュレーション公募において1位に選出された企画であり、KOTARO NUKAGAの会場提供のもと開催されます。
本展では嶋田美子、山本れいら、みょうじなまえの3人の女性アーティストの作品を通じて、歴史への批判と未来への思索によって家父長制的ナラティブに挑みます。
展覧会のタイトルは、日本のフェミニスト運動の先駆者のひとり、平塚らいてうが1911年に雑誌『青鞜』に寄稿した記事の一節から引用されています。その中でらいてうは近代日本における女性の従属的地位を糾弾し、女性の抑圧された状態を月に、自立を太陽に例えました。それから一世紀以上が経過した現在、2024年のジェンダー・ギャップ指数で日本は146カ国中118位であり、憲法上の保護があるにもかかわらず構造的な不平等が根強く残っていることを浮き彫りにしています。近年でも、ある政治家が若い女性に出産を促すために30歳以上の女性に子宮摘出を義務付けるべきだと提案し物議を醸しました。こうした発言の背景には、国家や社会が女性の身体を管理することを当然視するような価値観が依然として存在します。
本展は日本のこのような現実に応答するものであり、制度化された女性の身体への管理に異議を唱え、女性がもはや月に例えられるような従属的な役割に縛られない社会を再想像するよう鑑賞者に促します。「日本の女性は真に自立していたことがあったのか? なかったのだとすれば、どうすれば太陽のような解放を達成できるのか?」嶋田、山本、みょうじの作品を通して問いかけます。
ぜひ、この機会にご高覧ください。
アーティスト
嶋田美子
山本れいら
みょうじなまえ
会期
会期: 2025年5月17日(土)– 6月14日(土) 開廊時間: 11:00 – 18:00(火 – 土) ※日月祝休廊 主催: apexart オープニングレセプション: 2025年5月17日(土)16:00 – 18:00 ※嶋田美子、山本れいら、みょうじなまえが在廊いたします。 【トークイベント開催概要】 ① イベントタイトル: フェミニズムアートの過去を再定義する 登壇者: 笠原美智子(長野県立美術館館長) 山本れいら(本展キュレーター、アーティスト) 嶋田美子(アーティスト) みょうじなまえ(アーティスト) 日時: 5月24日(土)15:00 – 17:00 ※参加無料 ※着席定員 20名 ※入退場自由 ※展覧会は11:00 – 18:00 の間いつでもご覧いただけます。 会場: KOTARO NUKAGA Three 〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex I 3F 詳細: トークイベント「フェミニズムアートの過去を再定義する」では、長野県立美術館館長の笠原美智子氏をゲストに迎え、本展出展作家とともに、フェミニズムアートがいかに歴史(過去)を再定義するかについてディスカッションを行います。本展出展作品に共通する社会的抑圧を描き出すフェミニズムアート作品の社会的、歴史的意義とは何か? また、社会変化に応答するフェミニズム・キュレーションとはどういったものなのか? 日本におけるフェミニズム・キュレーションのパイオニアの一人である笠原氏の視点を通して90年代のジェンダーアートの勃興から現代までの変遷を辿りながら、その歴史的重要性を議論していきます。 ② イベントタイトル: フェミニズムアートと現代日本社会 登壇者: 清水知子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授) 近藤銀河(美術史家、アーティスト) 山本れいら(本展キュレーター、アーティスト) 嶋田美子(アーティスト) みょうじなまえ(アーティスト) 日時: 5月25日(日)14:00 – 16:00(開場 13:30) 予約サイト: https://ga.geidai.ac.jp/2025/05/02/feminism-art-and-modern-japanese-society/ ※参加無料 ※事前予約制 ※着席定員 200名 ※オンライン配信あり ※入退場自由 会場: 東京藝術大学上野キャンパス 音楽学部5号館109 〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 詳細: 「フェミニズムアートと現代日本社会」は、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻清水研究室と共催での一般公開特別トークイベントです。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授の清水知子氏、美術史家でアーティストの近藤銀河氏をゲストに迎え、本展キュレーター、出展作家を交え、「フェミニズムアートと現代日本社会」を中心テーマにディスカッションを行います。現代日本社会を表象するフェミニズムアートとはどういったものなのか、特に90年代以降フェミニズムアートがどう社会に受け入れられ/または排除されてきたのか、フェミニストアートが抱える課題や教育面での問題、フェミニズムだけでなくクィアの視点の必要性など、様々な角度から現代社会におけるフェミニズムアートを批判的に検証していきます。 ③ イベントタイトル: フェミニズムアートの未来を想像する 登壇者: 正路佐知子(国立国際美術館主任研究員) 山本れいら(本展キュレーター、アーティスト) みょうじなまえ(アーティスト) 日時: 5月31日(土)15:00 – 16:30 ※参加無料 ※着席定員 20名 ※入退場自由 ※展覧会は11:00 – 18:00 の間いつでもご覧いただけます。 会場: KOTARO NUKAGA Three 〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex I 3F 詳細: 「フェミニズムアートの未来を想像する」は、国立国際美術館主任研究員の正路佐知子氏をゲストに迎え、本展覧会の出展作家を交えて、未来の日本のフェミニズムとアートについて議論するトークイベントです。本イベントでは、未来の日本社会やアートについてフェミニズムの視点を通して再考します。ジェンダーの不平等が解決されないまま、新しい身体拡張技術や生殖技術が無批判に社会に浸透していくことについて、またこうした社会的テーマが反映されたアートとはどういったものなのか? 未来の社会のためにキュレーションができることとは何か? 美術館がフェミニズムアート作品をコレクションすることの意味とは何か? 各登壇者の視点を通して議論していきます。 ④ イベントタイトル: 日本語キュレーションツアー 出演: 山本れいら(本展キュレーター、アーティスト) 日時: 6月7日(土)16:00 - 17:00 ※参加無料 ※入退場自由 ※展覧会は11:00 – 18:00 の間いつでもご覧いただけます。 会場: KOTARO NUKAGA Three 〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex I 3F 詳細: 「『元始女性は太陽だった』のか?」の日本語展示ツアーを開催します。日本における女性の身体とセクシュアリティの管理をめぐる本展のテーマや、各出展作品について、会場にて解説を行います。予約は不要です。ぜひお気軽にご参加ください。
会場